歩道橋

最近、バスをつかうことが多い



最寄の総合駅から自宅へ帰るときに降りるバス停は、自宅から歩いて5分くらい
途中で歩道橋を渡るのだが、この歩道橋は小学校のときの通学路だった
小学校を卒業してからは、ほとんどこの歩道橋を使わなかった
でもバス利用のために久しぶりに使ってみて、そこから見える景色の違いに驚いた
いろんなとこから高層の建物がニョキニョキと伸びてきている



普段は、「あぁ、こんなことにこんなのができたんだ」と、ぼんやり過ごしてきた
でも次々とできたその建物たちは、私の中の歩道橋からの景色と違う景色を作っていた
どの建物がどこのどんな建物なのか、だいたい分かる
でも知らないうちに自分の住む町が変わってきていることに気付かされた


あそこに大きな××ができるんだって
今度はあそこにマンションだできるらしいよ
もうすぐあそこに飲食店がオープンするって


そんな会話をしては自分達の住む町が栄えていくのを喜んでいた
変化していくのを嬉しいと思っていた
今でもどんどん周囲が便利になっていくのがいいと思ってる


でも自分の知ってるものが消えていく
それが寂しいと歩道橋の上で感じてしまった
私が引越しして、久しぶりに帰ってきたときも、どこかがきっと変化している
知っているものが無くなって、知らないものができている
当たり前なんだし、住む住民が便利になっていくのは喜ばしいこと
わかっていはいる
でも「いやだ」と思わずにはいられない


もうすぐ、自宅の近くに大学ができる
それに伴って、最寄駅もにぎやかになるだろう
高速道路の工事もどんどん進んで、景色を変えていっている
自宅の近くにレストランがオープンした
ママンは喜んでいたけど、なんとなく私はそれを喜べなかった



また寂しい気持ちに襲われた
歩道橋の階段を下りながら、少しだけ涙が出た