最後の日

今日で六年と二ヶ月働いた会社を退職する



朝から後輩に仕事をお願いして机の片付けをする
少し前からやりだしていたけど、作業しにくくなるので最終日に一気にやることにした
でも六年の間に溜まった荷物や書類が多すぎる
「もしかして・・・」の気持ちで捨てられずにいたものがほとんどだ
現在使用する関係書類は後輩に、二週間くらい前から引継ぎしてたけど、それ以外のものはこの際なので捨てることにした
懐かしいものがたくさんでてきた
でも捨てる



昼食は会社でとっているお弁当を一つもらった
後輩が昨日、「最後だし、思い出にお弁当を食べてください」と言ってくれたが、私はずっとママンのお弁当だったので会社の弁当に特に思い出はない
でも偶然、ひとつもらえたのでオカズだけいただく
わりといいオカズだった


今日でママンのお弁当も最後
中学・高校と作ってもらって、就職してからも会社近辺に飲食店がないので毎日作ってもらっていた
食べる前にメールでお礼をする
「今までお弁当をありがとうございました いただきます」


いつもは感謝してるけど、毎日のことなのでお礼は言ったことがなかった
高校生の最後のときも言わなかった
そのときの私は「最後」だなんて思っていなかったんだと思う
でも今日は本当に「最後」
だからお礼が言いたかった


メールして、普通に食べだしたんだけど、ママンからすぐに返事がきた
「毎回あまりおいしくないお弁当でしたが今度は旦那さまに作ってあげてください」


返事がくるなんて思ってもいなかったので、急に目頭が熱くなった
弱い



昼食後も片付けをする
文房具やファイルなんかを欲しい人に渡す
そんなことをしていたら、上司から花束をもらった
昨日の送別会で「最後のとき泣く?」って聞かれてたけど、やっぱり泣いちゃいました
この前に社員の皆様に生ドラ焼きを配って回ったのだが、その時は平気だったのに
やはり自分から行くぞって思うときは感情コントロールできるけど、不意にされるとダメだ
見たら横にいた後輩も泣いていた
どうもありがとうございます



社外の人からもメールやFAXを頂いた
電話を掛けてきてくれた方もいた


でもなぜか社内も社外にも私が京都に行くと思っている人が何人かいた
情報が止まっている
「違いますよー」と訂正しておいたが、今思えば別にそのまま「そうなんです」と言っておけばよかったかもしれない
大きくない情報誤差だし


あっという間に一日が過ぎた
今日もまた記憶が無い
はやく辞めたいなぁと思って過ごしてはいたけど、やはり別れは寂しく感じる
ここのところ毎日、今は退職した人と二人で植え替えた観葉植物を観察していた
みんな生き生きして新しい葉が出てきている
最後にひとつ植え替え作業できなかったやつがあるのが心残りだ
こっそりもらってこればよかったかも


今までしなかったけど、携帯番号の交換会なんてのもしてみた
うーん、最後っぽい



一気に気が抜けた
でも来月また会社の人たちと食事会がある
そのせいか、まだ実感なし
こんなもんだろうか