悲しい思い出

quill-goya2005-11-06

昨日の日記でガムの話を書いて思い出した


子供の頃に好きだったのは「梅ガム・ブルーベリー」の二種類
今でも食べたくなるのだが、実際に食べてみると甘くてちょっと感じ方が変わってるのを思い知る
なんとなく味覚が変わったのは寂しいと思う


この二種類のほかに思い出のある味がある
「フルーツミックス」だ


商品名が「フルーツミックス」だったかどうか記憶が怪しいが。商品のデザインは覚えている
黄色いパッケージで左隅に籠盛りの果物の絵が載っていたと思う
20年くらい食べていないが、味も覚えている
一時期、販売してなかったようだが「コーヒー」と共に最近見かけるようになった


なんでこんなに「フルーツミックス」のことを覚えているのか?
それはママンに、このガムのせいで叱られた記憶があるからだ


その日、私はママンに連れられてピザハットにピザのバイキングをしに行った
このピザハットに行くまでに大きな陸橋や坂道が続き、自動車の免許のないママンは後ろに妹を乗せ、自転車でわりと体力を使って連れて行ってくれたのだ


私はもう自分で自転車が乗れたが、子供にも大変な道のりだったし、交通量の多い道だったのでママンも私に何度も声かけをしてくれていた
みんな私も妹もピザが好きだったし、たくさん食べさせてあげようよ思ってくれたらだと思う


行く前に私は問題の「フルーツガム」を噛んだ
たぶん奥歯だったと思うのだが、乳歯の下から永久歯が生えだしていた
ふだんは気にもならない見えない永久歯だったのだが、ガムを噛むことにより幼い私に牙を剥いてきた
永久歯の潜むまだまだ抜ける様子のない乳歯でガムを噛んでしまったのだ


疼く


ものすごく疼いた
たぶん噛んだ瞬間、「ぎゃっ」と思ったはずなのだが、ピザは食べたいし、なにより今更言い出せない
ママンにはナイショにして家をでた
しかし、店に着いても痛みは治まっていなかった
それどころかますます痛い
固いピザなど食べる気にならない
案の定、全然食べられなかった


なんで全然食べないのかと少し起こり気味に聞いてきたママンに、歯が痛くて食べられないと告げた
ものすごく叱られた
妹は今でこそ人並みに食べられるようになったが、当時はとても食の細い子供でバイキングなどしても全くの無駄だったのだが店から人数分のオーダーが必要と言われママンは仕方なく人数分の料金を払っていたのだ
それは私がたくさん食べると思ったから…


なのに全然食べない私とその理由にキレたのだ
しかも季節は夏で炎天下に妹と二人乗りでの自転車
でも子供達が喜ぶだろうと思って連れてきてくれたのに、子供はもう帰りたいと言い出す


今でも忘れられないママンの言葉
「なんでガムなんか食べたんだ!!」



この記憶から最近、復活したフルーツガムを見ると歯が疼く気がする
たぶん一生食べないと思う


もうこの時のピザハットは潰れてしまったが、店のあった場所を通る度に思い出す