ネコがいた

今度は私が彼の実家に挨拶に行く


ゴールデンウィークの最終日なので早めに出発して早めに撤退してくるつもり
でも二人ともダラけた性格なので結局のんびりしてしまった


10時に到着するはずだったのに11時だった
なぜか彼はプリンターを持参している
お父さん用に買ってきたらしいが、誰がセットアップするんだ


ナビで目的地が見えるようになると緊張がピークに達した
ものすごく緊張したけど一歩家に入ったら「もうどうでもいいや」と思えた
緊張感が一気になくなった


お父さんがいて
お母さんがいて
弟さんがいて
ネコが三匹いた


すごくおばあちゃんネコとすごくデブネコとすごく美人なネコ


なんだかよくわからない会話をして、彼が「じゃあちょっと」とプリンターと私を連れてパソコンのある部屋に移動をしようとしたらお母様に拒まれた
パソコンのある部屋は掃除してないし、私にもう少し聞きたいことがあると言われた


別にもう何を聞かれてもかまわない
サシで会話してやろーじゃないの


そう思った
私は何をしにきたんだ
結婚の挨拶じゃないのか
まるで抗争争いをしにきたみたい
でも散々、彼にお母様の話を聞いてきたから、こう思ってしまっても仕方がないと思う


なぜかものすごく落ち着いている自分がいる
しかし彼に救出された
別に平気だったのに
何か私に言われては困ることがあったのだろうか


「彼女に何をもう少し聞きたいの?」
彼に聞かれたお母様は「・・・趣味とか」と答えていた
たった今思いつきましたね


彼がセットアップしてる間に定番の卒アルを拝見する
ものすごく子供っぽい
これで18?と思ったが私も今、自分のをみたら同じように感じるのかもしれない
時ってこわい


お父様は聞いてたとおりの人だった
自然体な人
自分は父親みたいな人間になりたいと彼は言っていたが、残念ながら彼は母親に近い性格かと思われる



容姿はと言えば、お母様が「うちは父親と弟はイイ男なんだけどねぇ・・・」と言われてた
彼は最下位らしい


お母様とは男性の好みが違うことが分かった
でも彼から弟さんはモテまくっていたと聞かされていたけど「ふぅん」としか思えなかった
面白そうな人物ではあったが、私の写真を見て私を「杉田かおる似」と評価していたことのが気になる
実物を見てもそう思ったのか聞きたくて仕方がなかったが聞けなかった


ご両親と四人で食事に出かける
彼がうちに来たときとは違って私は完食してしまった
少食っぽくしとくべきだったか今頃後悔している
ビールも飲んでしまったのは失敗だったかもしれない


食事が終わって、ご両親に雨のなかを見送ってもらって帰宅する
思っていた以上に優しくしてもらえたし、プレゼントも頂いてしまった


うちのお父さんが私のことを「うちは貰われる気持ちで、あちらは貰う気持ち」と言っていたことを思い出す
彼も同じようなことを言っていたことがあった
私は「モノみたいな扱いをしないで」と反論したが「でもそうゆうもんなんだ」と言われてしまった


お母様は「挨拶まわりをする時に着てね」と着物を渡してくれようとした
着物はたくさんあるから準備は一切いらないとも言ってくれた
お母様は仕事柄、たくさんの着物を所有しているようだ
楽でいいかもしれない


でも私は日本舞踊にまったく興味がございません
彼があわてて「着物とかに興味がない人だから!」と言っていた
私は「今どきの子ですみません」くらいの気持ちでやりたくないことは断っていくつもりなのだが、彼も大変そうだ
彼に「気を遣わせてごめん」とも思いつつ「私を守ろうと必死だなぁ」とも思う



帰り道のサービスエリアで二人とも疲れて車の中で寝てしまった
仕事が激忙しいのに強行してしまって悪いことをしたと思うが、これでお兄さんとこに気楽に行き来が出来るので勘弁願いたい




そんなわけで私は関西に嫁ぎます
たぶん京都