私の引越し

今日は私の引越しの日


数日前から台風接近のニュースが気になっていたけど、日程の変更はしなかった
本当は大して荷物もないから業者に単身用引越しプランでも頼もうと思っていたのだが、業者に見積もりを依頼しているときにママンに「荷物が少ないと思っていても、なんだかんだで増えるし高くつくから自分達でやる」と言われた
業者に頼もうと思う前は少しずつ自分で彼の家に遊びに行くときに運び込んでいこうかなー、とかお父さんに運んでもらえば時間や日にちや回数に融通がきくなぁとか思っていた
でも結局、結婚前に車で彼の家に行くことはなかったし、お父さんに頼もうとは思えなかった
車で行くのは気が進まなかったし、お父さんに家を出る手伝いをして欲しくなかった
実際に、ママンが「引越しは父がやる!決めた!」と言い出し、そのことをママンが父に伝えた夜は父は眠れなかったようだ
ずいぶんと遅くまで起きている気配がしていた
ママンは残酷なことをするもんだと思った


が、引越し当日になると父はものすごくご機嫌だった
行きの車中では歌ったり、目に映るものにいちいち大げさな反応をしてみせていた
私も黙っていることができず、ずっと喋り続けていた
沈黙してしまうのが嫌だった



新居に到着して、わりとあっさりと荷物の運び込みを完了し昼食に行った
ホームセンターで掃除道具やキッチン周りのものを購入
作業中に幸運にも雨は降らなかったが、両親には早めに帰宅してもらった
あとは自分たちで片付けをしないといけない
冷蔵庫とガス台と照明を買いに行き、早めに夕飯を済まして新居へ帰る
あと三日間はガスが使えないし、時期的に今の彼の冷蔵庫から新しい冷蔵庫への切り替えも大変そうなので自炊はしにくい
しばらくは今の彼の家と新居の往復を繰り返すことになりそうだ



もうどこから片付けていいのか全く分からなかった
とりあえず食器類が割れてないか調べつつ一度洗うことにした



台所周辺はママンがほとんど一人で用意しておいてくれた
開けてみると今まで私が一緒に買い物に行って「これ、いいね」と言ったものと似たような食器や、実家で現在使っていて私が「この食器のデザインがいいね」と言ったものと同じものが入っていた
私が「いいね」といったものをママンは覚えてくれていて、用意してくれていた
食器の包みを開ける度に泣きそうな気持ちを抑えて手を動かしていく
食器の他にもナベや調理道具、包丁なんかが入っていた
もうすぐに料理ができるくらいに用意されていた
キッチンタイマーまで入っていたのがよく分からなかったが、とにかくママンはガラスもの以外はほどんど用意していてくれた



来週に実家に数日帰る予定があったせいか、思っていたより寂しい気持ちにはならなかった
引越しの慌しさも良かったのかもしれない



両親を彼と二人で見送る時に雨が降り出した
名前が変わって、住む場所が変わる
私はどーなるんだろ、そんなことを考えながら両親が見えなくなるまで見送った
雨が降り出してくれて良かった